第31回

沖縄のナ・ン・ダ!?

沖縄ナンデモ調査隊 編 双葉文庫
2001年 本体476円

前回紹介した『沖縄オバァ列伝』の類似本。しかし、こちらはやや学究的?なアプローチで沖縄の現実に迫っている。地名の読み方やハブ酒など内地人にとってはなじみのないオキナワ的なモノに、文化人類学的または歴史的に迫ろうとしている、というのはちょっと言い過ぎかな。でも、ほっほーっと納得することも多く、沖縄の異文化的な部分に恋いこがれている人には特におすすめ。

 

地図のない道 

須賀敦子 著 新潮社
1999年 本体1400円

何度読んでも須賀氏の文章に畏敬の念を抱いてしまう。落ち着きがある。そして読む者を彼女が過ごした日々に引き込んでゆく。これは、現在も昔の様子をとどめるベネツィアのゲットーと、リオと呼ばれる小さな橋にまつわる随筆。著者の歴史とベネツィアの歴史とが画像を見るように伝わってくる。

 

 

プラナリア

 

山本文緒著 文藝春秋
2000年 本体1333円

乳ガンの手術以来、何もかもが面倒に思えてならない25歳の女性、離婚し職も失い、時間をもてあましている36歳の女性・・・。何気ない登場人物の会話や微妙な心の動きの描写が、いつものことながら実に上手いと思った。普段の生活で、いろんな人がいろんなカタチで送るサインをそれなりに見逃さない人はいるだろうが、その何気ない情景を文章で表現できる人というのは、そういないと思う。

 

 

憩いのロビーで−旅のやすらぎ、ホテルとの出会い−

青木 保著 日本経済新聞社
2000年 本体1500円

 旅先のホテルの良し悪しってすごく重要だと思いませんか? 旅の目的にあった居心地の良いホテルに出会えたらこれはもう至福の時を約束された気がします。この本は巷にあふれているホテルランキングなどとは一線を画している。あくまでも作者に憩いの場を提供してくれる場としてのホテルが書かれている。世界中の様々なホテルの紹介とともに、著者のホテルを通しての現代社会のありようが提示されている。

 

 

生きる読書

群ようこ 著 角川oneテーマ21
2000年 本体571円

 書名がいいですね、群さん。本を月に数10冊買っている著者が、その中から選んでエッセイ的書評(書評的エッセイかな?)を書いている。購入した本の一覧も載っていて興味深い。驚くのは、買う本の多さ。さすがに本人も読み切れず、始末に困っているらしい。欲しかった本を手に入れて、うれしさのあまり開いて匂いを嗅ぐなんていうのは、本好きに共通する癖かしら?妻に財布を握られていて本を買うのに苦労している男性も登場する。欲しいだけ本を買えるっていうのは、ほんとに贅沢だよね。

 

 

中坊公平・私の事件簿

中坊公平著 集英社新書
2000年 本体660円

 著者が手がけた膨大な裁判や事件の中から、心に残る14の事件を取り上げ、その内容と思い出を記したもの。道は決して平坦ではない。「森永ひ素ミルク中毒事件」では、途中、近鉄電車の駅のホームで、やってきた電車に身を投げそうになったという。中坊公平、一日にしてならず。よくぞ「公平」という名を与えられたことよと思う。

 

  

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