第32回

南ラオス・山河紀行

シャンティ国際ボランティア協会
2000年 

 ラオスはタイ・ミャンマー・カンボジアの3国と接した国で、南ラオスはカンボジアと国境を接しているためクメール文化の影響が色濃く残っている。そして多くの少数民族が美しいが過酷な自然と共存している。今東南アジアといわれる地域を見渡しても、経済発展・開発・人口増加などで次々と自然破壊がなされてる国が多い中で、唯一そのままの姿でゆったりと時間が流れている国のような気がして一度訪れてみたいと思わずにいられない。自分がもしその中に立ったときどんな気持ちを持つのか想像も出来ない。

 

旅はお肌の曲がり角

岸本葉子 著 講談社文庫 
1997年 本体590円

 旅、それも海外旅行に行けば誰でも1つや2つのとっておきの話しがある。これはそんな話の中でもとっておきのキメ話を集めた本だ。「岸本様、こんな話を披露してもいいんでしょうか?」といいたくなるようなエピソードまで披露している。特に女性に読んでもらいたい一冊。著者おすすめの旅の本の書評も参考になる。

 

7人の女の物語

ロキア・ラーマン・カビール著 大岩 豊訳 連合出版
2000年 1800円

 著者がバングラデッシュの農村の貧しい女性のための開発プロジェクトを行う中で、出会った7人の女性の物語。文章が平易で読みやすく一人一人の女性が身近な存在として感じられる。一方で、日本では想像も出来ない貧困と封建的な社会の中で、女性が命を脅かされずに生きていくことが、どんなに奇跡的なことか文面からは感じられても実感としては感じられない。
 おぼろげに知識としては持っていたが、この物語の女性たちの生き方を読んで改めて貧困と女性であるということで様々な犠牲が強いられる社会が現実に今もあるんだということを思い知らされた。

 

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

ランス・アームストロング著 安次嶺佳子訳  講談社
2000年  1700円

 自転車競技アスリートとしての絶頂期に発癌。しかし、持ち前のアグレッシブな精神力で病を乗り越え競技に復帰、ツールドフランスの優勝で完全復活を遂げたランス・アームストロングの半生。日本ではいまひとつマイナーな自転車競技についても詳しく書かれている。それにしてもランスったらいい男だわ、惚れるで。

 

失踪する人々

岡崎昂裕著 宝島社新書
2000年 本体700円

 著者は実際に探偵を業としていた人。何故人は失踪するのか、そんな思いで読み始めたのだが、一人の人間を捜しあてるまでのプロセスが実に興味深かった。失踪者を探し出すための情報を得るには、探偵は、失踪した人間とその周囲の人々との複雑にからんだ人間関係に、足を踏み入れざるを得ない。といって、踏み入れすぎては目的を見失う。探偵というのは、体力と根気以外に、人間洞察力が不可欠の仕事だなと思った。

 

 

笑う新聞

新保信長著 メディアファクトリー
2000年 950円(税別)

 80年代〜90年代に日本で起きた事件の新聞記事を取り上げ、それについての感想や考察を各事件毎にまとめたもの。取り上げられている大半がばかばかしい事件だけに、笑える反面情けなや我が国日本って、泣けてくることも。しかし、ばかばかしい中にも、時代の世相が現れていて興味深い事件もたくさん載ってます。

 

白い殺意

デイナ・スタベノウ著 芹澤恵著
1995年 544円

 「アラスカ」をキーワードにして検索したら、この本がでてきた。ミステリーはさほど好きじゃないけど、著者がアラスカ生まれで舞台もアラスカということなら、読まないわけにはいかない。主人公は、やり手の検事局捜査官の女性。大自然の中での暮らしぶりが細かく描かれていてうれしい。謎解きはそんなに綿密ということもないが、登場人物が魅力的なので飽きない。本作が好評だったので、この後第4作まで刊行されているとか。翻訳されたら読んでみよう。

 

柔らかな頬

桐野夏生著 講談社
1999年 本体1800円

  2組の家族がいっしょに別荘で過ごした夏、ある日忽然と子どもが消えてしまった。子どもの母親は狂ったように子どもを捜すがようとして行方がわからい。時間だけは淡々とすぎていき、そんな事件が起きても人は生きていかなければならない。
 著者の本を初めて読んだが、異常なことに巻き込まれた人々の、日常の日々のようすが上手く描かれている。

 

岡山女

岩井志麻子著 角川書店
2000年 本体1300円

 無理心中を図ろうとした男に刀で切られた女が、そのため失った左目とひきかえのように生霊や死霊を映し出す力を得、「霊媒師」として様々な依頼客の訪問を受ける話。舞台は明治の終わり頃、岡山。時代性と登場人物たちのなまりが何とも言えない味を醸し出している。恐いというよりも、人間の生々しさが妙に悲しく思える本。

 

豆炭とパソコン

糸井重里著 世界文化社
2000年 1400円(本体)

 これはおもしろい本を見つけたぞって感じ。著者がiMacを衝動買いして、離れて暮らす実母にプレゼントした。好奇心満々の80歳の彼女が、インターネットを使えるようになるまでのほほえましい格闘がレポートされている。レポーターは、HPでの募集に応募してきて著者と意気投合した翻訳家の女性。この人が先生となってパソコンの楽しさをズブの素人に教えていく。そもそも、主役である著者の実母と先生のキャラクターがとてもおもしろいので、ついつい引き込まれてしまう。笑った後ほのぼの感が味わえる本。

 

 

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