船木上総 著 山と渓谷社
2002年 1400円
モンブランでクレバスに転落し、十六時間後に救出された著者の体験談。低体温症になっていたが九死に一生を得たくだりも興味深いが、リハビリによって腕の機能を回復していく記録が感動的。人体の回復能力がこんなにも素晴らしいとは。後半の低体温症についての解説は、人体の脆さと強さについて勉強になりました!
高橋 茅香子 著 文春文庫
2005年 本体590円
英語となかよくなると何がいいのか−著者曰く、「自分の世界が広がるから」。この本は、ペーパーバックや、旅のガイドブック、料理の本、ゲーム、映画の話など、英語に触れるいろいろな方法やエピソードが紹介されていて、まさに、英語を介して世界が広がりそうな予感を味わわせてくれる。「好きこそ、ものの上手なれ」というが、英語もやっぱり好きになることが一番。英語は「苦手」だけど、「好き」にはなりたいという人にオススメ。

こんな私でよかったら中村うさぎ 著 角川文庫
2002年 476円(本体)
自称「派手好きの見栄っぱりの目立ちたがり屋」の著者の武勇談がめじろ押し。53万円もするタンクトップを買ってしまったくだりは、まさに笑い泣き。煩悩に忠実に行動している(?)ところが、おもしろくて大好き。前夫との離婚騒動がまた笑える。

下母澤 寛 中公文庫
2004年改版発行 本体895円
聞き書きの名手といわれる下母澤寛がまだ若き新聞記者時代に、著名人に「あなたにとって旨いものとは何か」を問うた本。現在の食通といわれる人たちは、主に「レストラン」について語るが、昭和初期の食通たちは「素材」や「料理方法」にこだわりがある。特に印象的なのは、増上寺大僧正の「冷や飯に沢庵」。なんでもない話のようだが、これこそ究極の食事ではなかろうか。

吾妻 ひでお 著 イースト・プレス
2005年 本体1140円
漫画家として確固たる地位を築きながら、ホームレス、肉体労働、アル中とバラエティ豊か(?)な人生に足を踏み入れてしまった吾妻さんの体験談。警察に保護されて、自分のマンガを知る署員に「先生ほどの人が…」と嘆かれるエピソードは笑えるような辛いような。ディープな世界にどっぷり浸れて、人生いろいろあるよなってなぜか爽やかな読後感。

ラフカディオ・ハーン 池田雅之編訳 角川文庫
2005年 本体705円
1980年、40歳で来日したラフカディオ・ハーンが54歳で亡くなるまでの14年間に収集した怪談の中から42編が収められている。「怪談」といっても日本語訳が美しく、品があって、泣きたくなるような懐かしい気持ちさせてくれる。日本の貴重な伝承を丹念に残してくれたラフカディオ・ハーンに、私は畏敬の念をいだいているが、きっと彼は私同様にただ怪談が大好きで仕方がなかったのではないかと思う。

できればムカつかずに生きたい田口ランディ 著 新潮文庫
2004年 本体514円
家族問題に翻弄されて思春期から20代が特に生きづらかったという著者。だからエッセイには、家族、関係性、心、精神世界、癒しなどに関する言葉がちりばめられている。自分の過去を時間をかけて見つめ整理していって、現在はずいぶん「楽になった」という言葉に納得。