第67回(2006年6月)

山頭火と四国遍路

横山良一 写真・文 平凡社
2003年 1600円 

 四国遍路に山頭火の作品や、人生をからめながら、山頭火の最後の旅をたどっている。詩を詠み、一人で歩きつづける四国遍路は、山頭火にとって人生そのものっだったのだろうなあ。山頭火の俗人っぷりと、詩に詠まれた孤独が、私の心の奥深いところで、えもいえぬ焦燥感を沸き起こしてしまった。



今夜も落語で眠りたい

中野 翠著 文春新書
2006年 本体750円

 ある日TVで志ん朝の「文七元結」と出会い、突然落語の魅力に目ざめた著者。以来20年落語を聴いて眠ることが「就眠儀式」に。そんな著者が文楽(8代目)、志ん生(5代目)、志ん朝はじめいろいろな噺家のいろいろな噺について、独自の切り口でその味わいを熱く語った本。落語(古典落語)はある程度生活経験や文化経験を経てこそわかる、「聴きどき」があるのではという。近頃落語が気になる、でもどこから手をつけていいかわからない−そんな人にオススメ。あなたも「聴きどき」に入ったのかも・・・。



大阪弁の秘密

わかぎえふ著 集英社文庫
2005年 429円(本体)

 大阪本は数あれど、語法から心理、文化的背景までこれほどおもろく描いた本はないのでは?「儲かりまっか?」に対して「ぼちぼちでんな」と返答するのは誤用だとか、「かまへん」は2回以上連続して使うとか、「あほほど好き」と言われると最高にうれしいとか、大阪在住20年の私でも知らなかったことや再確認したことがいっぱい。爆笑しつつ大阪人を理解できる。まさに秀逸!

 

中国なんですかそれは?

小田 空著 旅行人
2005年 1400円

 ここ数年著しい発展を遂げ、先進国の脅威となりつつある中国。巷には様々な中国本があふれているが私はこの作品の視点が面白くておすすめ本にしました。あんな途方もない大国を一冊の本で理解するのは無理です。でもこの本一冊で中国の市井の人々の生活ぶりや考え方が感覚的にある程度理解できます。何だ同じ人間だと思えたかと思ったら「えっ」とうなってしまうような感性の違いがあったりで、その間で右往左往する著者がまたおもしろい。。

 

古典落語 

興津 要 編 講談社学術文庫
2002年 本体1250円(税別)

高校大学時代の私の愛読書。暗記するくらい読んで私の土台を形成したといってもいいでしょう! 他の落語の速記録を読んでもどうもしっくりしない。久しぶりに本屋さんで見つけたときは、懐かしい親友にあったようでうれしかった。それにしても昔に読んだ噺を一字一句覚えているのには自分でも驚きました。この熱意で英語でも勉強していれば...。



買物71番勝負

平松 洋子 著 中央公論新社
2004年 1600円

 この方かなりの目利きのようで、次から次に“イイモノ”が登場する。日常雑貨から、電化製品・化粧品に肌着。どれもこれも試したくなるのは、力強く、スピード感溢れる文章のなせるわざでしょうか。バブリーな品も時々でてきますが、おおむね質実剛健でセンスよし本物志向がゆえに、読む者の心をわしづかみにしてくれるのです。買いに走りたいページにチェック入れながら読んでしまうよ。


寄席芸人伝 

古谷 三敏 著 中公文庫コミック版
1996年 本体583円

 腹を抱えて笑ったり、時には涙したりとまるで寄席を見ているような臨場感溢れる作品の数々。落語に取り付かれた芸人たちは、落語に登場する人物そのもの。そこつで、お人よしで、チョイ悪で。おそらく実際の芸人たちの数々のエピソードを下地にしたこのマンガは、落語の魅力を「噺」からではなく、芸人を通して教えてくれる「古典落語」を読むのはまだちょっと・・・、というビギナーに最適。


月は知っていた〜旅のグ2

グレゴリ青山 著
旅行人 2004年 1400円(本体)

 『旅のグ』の第2弾がやっと出た。続編というのは期待はずれが多いものだが、これは第1作に勝るとも劣らぬおもしろさ。ネタは、旅以外にも変な看板やおもろい人たちなど、著者が巡り会ったあらゆる事象。なぜこんなにも奇想天外な人たちと出会うのか不思議なのだが、それを楽しんでる著者のセンスがたまらなくいい!


桂枝雀のらくご案内

桂 枝雀著 ちくま文庫
1996年 本体660円

 副題は「枝雀と61人の仲間」。何百とある大阪落語の中から、当時枝雀さんが「仲間」として選んだ持ちネタ60プラス1席。(「仲間」は時々入れ替わりがあるらしい。)ネタばなしや楽屋ばなしにとどまらず、枝雀さんの歩んできた道、落語にかける思いまで盛りだくさん。枝雀さんのあの軽妙な語り口が聞こえてくるよう。知らず知らずのうちに落語の幅広く奥深い世界に引き込まれていく。落語って「生き物」みたいだ。


異文化体験入門

毛受 敏浩著 明石書店
2003年 1800円

 グローバル化が進む現代社会では異文化と接する機会は海外に出なくても自分の身近なところでいくらでもあると言えます。自分が異文化を知りたいとか体験したいと思う気持ちさえあれば参加の場は多くあり、知識として知っている情報を実態として理解できると思います。異文化交流に関する様々なエピソードを通して「異文化交流は難しくない」という著者の考え方には大賛成です。身近な異文化交流をはじめませんか?




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