第4回

へっちゃらの海外生活マニュアル造事務所 編
情報センター出版局 1996年 本体971円
去年はやったマニュアル本のひとつ。コトバなんてできなくても、金なんかなくても、とにかく海外で暮らしちゃえっということです。特にこれと言った目的も能力もないのに外国暮らしに妙に魅力を感じている人ってたくさんいるんじゃないかな。私もだけど。この本を読むと、それでもなんとかなりそうって気になるからこわいよぉ。
マルコムXワールド佐藤良明 監修 径書房 編
径書房 1993年 本体1600円
数年前スパイク・リーの映画で日本でも話題になったマルコムXだけど、私は映画も観ていないし彼がどんな人なのかも知らなかった。非暴力主義のキング牧師に対して、マルコムは黒人の自由のためには暴力をも否定しなかった。白人に近づこうと髪をストレートにした若い頃から、抑圧と闘い暗殺されるまでの心の軌跡を、彼が遺した言葉を通してしっかり実感できる。
斉藤政喜 著
小学館 1994年 本体1262円
シェルパ斉藤の旅は、ヒッチハイク有り、自転車あり、路線バス有り果てはスキーまで有り。もちろん歩きも。
旅って目的地で過ごすことだけが旅じゃないんだ。そこに行くまでの道のりも、いや、道のり自体が旅になっている。テントをかついでどこかに出かけてみたくなった。
サン=テグジュペリ 作
岩波書店 1962年
たかが児童書だと軽く見ていた。こんなにも心に響くなんて。星の王子さまが出会う生き物一つ一つがそれぞれに哲学していて、そのたびごとに自分のなかで反芻してしまう。 特にキツネのセリフがいい、「心で見なくちゃものごとはよく見えないってことさ、かんじんなことは目に見えないってことなんだよ。」子どもの頃に読んでも今ほどの感動はなかっただろう。繰り返し繰り返しジーンとしています。
宇野千代 著
角川文庫 1996年 本体583円
この本の題名は、一時新聞や雑誌等でよく見たけれど、人生80年時代の生き方とか、長寿の秘訣とかいった教訓めいた宣伝のされ方をしていたものだから、正直、自分の年代で読むにはと、敬遠していた。今回読んでみて、自身の生き方を「鴉が空を翔ぶように」と形容している著者と、教訓とは最も無縁なものであり、もっと若い世代に紹介されていい本だと思った。「鴉が空を翔んでいるのを見て吃驚仰天する人はいない。ああ、翔んでいる、と思うだけである。」
ーこの一文に感じるところのある方はどうぞ。
長田 幸康 著
社会評論社 1995年 本体1748円
「チベット」と聞くと何をイメージされますか?
ダライ・ラマ チベット密教 曼陀羅 遊牧民 バター茶 ポタラ宮殿 etc
私達が思い浮かべるチベットのイメージは普通はこんなところだと思います。
本の内容はチベットの民族性から宗教・政治・地理まで実に幅広い分野にわたっていますが、読み易い文章と楽しい挿し絵ですぐに読めてしまいます。もちろん旅行案内としても一級品です。チベットに入るためのルートなども詳しく書かれていますが、中国からの独立運動が行われたりして非常に政情が不安定な為、常に最新情報を入手する事が必要だと思います。
下川 裕治 著
双葉社 1995年 本体1262円
「アジアの田舎町」という書名は実に魅力的だと思いませんか?
ゆったりとしたアジア的時間が流れていて、豊かな自然と人々の暮らしがあって、のんびり過ごすには最適だろうななんて思いながら読み始めました。確かにアジア的なゆったり感は持ちながらも、近年のアジアは急激な経済発展・開発ブームの渦中にある為、生活も当然、物質的な豊かさを追及する様になっています。そんな矛盾した中にありながらも、やっぱりアジアの田舎町には日本にはない、ゆったりとした時の流れがある事を再認識しました。
藤森照信 著
筑摩書房 1989年 本体680円
建築はその時代の全ての芸術、音楽・絵画・工芸等に影響を受け、それらの芸術には影響を与えないブラックホールのような特異な芸術だそうだ。そしてもう一つ依頼主がいないと始まらないという他の芸術とは大きく異なる一面がある。この本は明治から大正にかけてつくられた西洋建築の隠されたエピソードを丹念に拾い集めた貴重な記録だ。建築はいろんな人の夢と血と汗のかたまりというのがよく分かる。それを壊すときの何と簡単なことか・・。
東京建築探偵団 著
文芸春秋 1986年 本体505円
この本は、ユニークな東京ガイドブックだ。東京は世界的にみても他に例をみない西洋建築見本場らしい(つまりゴチャゴチャ)。ギリシャ・ローマ・ゴシック・ルネッサンス・バロック何でもござれ。東京にいけば海外旅行も必要なし! 私としては素人の手作りという「和朗フラット」が大好き。戦争を生き残ってくれてありがとう。でも、ここに紹介されている230の建物がどれだけバブルを耐え抜いたか・・・。不安だ。