第6回

鉄道員(ぽっぽや)

浅田 次郎著
集英社 1997年 本体1500円

表題の「鉄道員(ぽっぽや)」は直木賞受賞作。だから、というのではない。友人SUGANOの薦めで、手に取った。30代、40代、・・・。人は、多かれ少なかれ、他人の知らない過去を背負いながら人生を生きているのではないだろうか。そんな心の奥底に、ふっと触れる短編集だと思う。通勤電車の中など人前では、決して読まない方がいい。

 

前世療法

ブライアン・L・ワイス著 山川 紘矢・亜希子訳PHP文庫 1996年 本体562円

この本は、米国の精神科医の著者が、ある一女性の治療を通じて、これまでの科学や常識では解することのできない出来事に遭遇し、著者自らも変わっていく過程が記されている。巻末の解説にもあるように、輪廻転生を信じるか信じないかということよりも、「自分は過去にどんな人生をすごしたのか、どんな人間だったのだろうか?」ということを、つい考えてしまう本である。

 

ももこの世界あっちこっちめぐり

さくらももこ 絵・文
集英社 1997年 1200円(税別)

著者は、雑誌「non・no」の連載記事のため、半年間で5回の海外旅行をさせてもらったという、あまりにもうらやましいお話。間抜けな経験をしながらも、芸術品選びにこだわりが見えたりして、さすがマンガ家だねいう感じ。バリでナンパされたくだりは笑った。旅行記って著者の個性で全く違ったものになるけど、この人の文章はすっきりしていておもしろくてセンスあると思う。表紙など、イラストもGOOD.

 

HIRAGANA TIMES-異文化コミュニケーションマガジン

(株)ヤック企画 月刊 390円(税込)

昨今の(私個人の)外国語学習熱の高まりとともに、こう言った雑誌が(私個人により)脚光を浴びてきている。すべての記事が日英併記なので、語学学習にもなるはずだが、つい日本語で読んでしまう。外国人と日本人が一つの問題について投稿するコーナーは特におもしろい。意外と真面目なテーマを扱っているんだけど、恋人募集コーナーもあったりしてちょっと怪しい雰囲気。それもまた笑えるが。

 

シゲさんの地球ほいほい見聞録 

金井 重著
山と渓谷社 1991年 1200円
  

地球たいしたもんだね 

金井 重著 成星出版 1996年 1500円       

 著者の金井重さんは1927年生まれ。世界中を歩き回る貧乏旅行者といえば、若者の専売許のように思ったりするけれど、この2冊の本を読めば、好奇心と体力と行動力と少しのお金があれば、誰だってすばらしい世界旅行ができるという事が実感できます。        

 特に、本の中に出てくる〔シゲ旅のルール〕の3項目が頭に残っています。みなさんにも紹介しておきたいと思います。          

 (1)時間をかけて、お金をかけない
 (2)相手の暮らしを尊重する
 (3)自分の足、地元の足を活用する                        

このルールに従って、シゲさんは88ヵ国を旅し、これからも旅を続けてゆかれることでしょう。私も退職金をもらえるまでは、体力と好奇心を失わず、〔年金貧乏旅行〕に是非挑戦したいと思っています。                                 

                                          

アジアの旅人 

下川 裕治著
講談社 1997年 619円

この本に掲載されている写真を見るだけでも十分にアジアの空気が伝わってきます。
アジアの喧騒、ねっとりとした空気、食べ物の匂い、人々の顔や声、そんないろんなものが頭の中に浮かんできます。本を読んでいるうちにすっかり頭の中は日本を脱出しています。ストレスいっぱいの生活をしているひとも、旅に出たくても出ることの出来ない人も、この本を読んでひとときのアジア旅行を楽しんでください。

 

太陽の汗、月の涙 - [中南米]記者の旅-

伊藤 千尋 著
すずさわ書房 1988年 1500円

中南米の社会情勢が、どの様なものかなんて詳しくは知らなかった。そして、その国々の人たちの暮らしぶりも。十年程前の本なので少しはその様子も変わっているかもしれないが、とにかく目から鱗。貧しさや、不条理な社会体制に挫けない、人々の生き方が力強く描かれていて、やる気が満ちてくる。先進国ばかりが世界じゃないよ。

 

フィリピン漂海民 - 月とナマコと珊瑚礁-

門田 修 著
河出書房新社 1986年  1600円

漂海民のことは、マレーシアでダイビングをしているとき、実際に見た。本当に船に一家全員が乗って海を漂っていた。学校にも行かない。生活の糧は海から得る。この本には、漂海民の生活が事細かに描かれている。海の上での生活には憧れるけど、こんなに厳しい自由な生き方ならちょっと遠慮しておこうかな。やっぱり、土が必要なんだよな私には。

あの世からのことづて

松谷 みよ子 著  ちくま文庫
1988年 350円

自分が死んだことを親類に知らせにいく話。ことづてを頼まれてあの世から戻ってきた話」など著者が丁寧に集めた、「現代の民話」62篇が納められている。みんなホントの話だから(体験した人にとっては)ちょっとコワイけど、ああ人間っていいなーと思える。自然に対する畏怖の念や人に対する優しさがこんな話を生むんだろうな。だんだん民話が生まれない世の中になっていくのかしら・・・。

 

死刑執行人の苦悩

大塚 公子 著  角川文庫
1995年  420円

死刑によって新たな被害者が生まれることを忘れてはいないだろうか。死刑が執行されるということは、一方では人を殺すことを命令される人がいるのだ。いくら「合法」といわれても、何年も面倒をみてきた人を「殺せ」と言われたら・・・。人の命がみな尊いとしたら「死刑囚の罪」と「自分の罪」には変わりがないと「看守」たちは生涯苦悩つづけるそうだ。死刑にたいする別の視点を与えてくれた。

このページのトップに戻る   フロントへ