第9回

わたしの源氏物語

瀬戸内 寂聴 著 集英社文庫
1993年 本体667円

源氏物語とは、なんてことは今さら語るまい。が、チャレンジしながら途中で挫折した経験をお持ちの方も少なくないのでは・・・?かくいう私もその一人。この本を読んで初めて全体像が見えた気がする。あくまで著者流の源氏物語概論だけど、何と登場人物がいきいきしていることだろう。かつて学校の古典の授業で学んだ部分は、源氏物語の中でも、醍醐味に欠ける場面ばかり強いて選ばれていたのではないかと思うくらい・・・。

 

われ笑うゆえにわれあり

土屋 賢二 著 文芸春秋 
1994年 本体1381円

著者はお茶の水大学教授、それも哲学科の! こんな教授がいるというだけでうれしくなってしまう。全体がナンセンスな話なのだが、妙に哲学的手法を使っているとろがなんともおかしい(つまり読む人によってはへ理屈と思うかもしれない)。疲れている時に読むには最適だ(読む人によってはよけいに疲れる危険性もあることを明記しておく)。

 

「マザー・テレサ」あふれる愛

沖 守弘 著 講談社文庫
1984年 本体447円

どうして、あそこまでマザー・テレサを多くの人々が慕い、求めたのか。机上の思想や、言葉だけの愛では、物事を変えていくことはできないのではないか。それが、疑問だった。自らの信念と結びついた驚くべき行動力、実際家としての仕事ぶり、ああそうかと思わせられた。著者が最も伝えたかったこととは、少し視点が異なるかもしれないが・・・。

 

 

きらきらひかる

江國 香織 著 新潮文庫
 1994年 本体388円

ゲイの夫とアル中の妻の共同生活。これは、まさに数年前に私が理想としていた夫婦の形だ。(”アル中”は別として。)医者の夫とその恋人(男)が、またいいヤツなのだ。互いの愛情に基づいたセックスレスの夫婦というのも、あっても良いでしょう。子どもをもつことには、こだわらずにね。

 

英語できます

松原 惇子 著 文春文庫
 1993年 本体369円

日本人女性が英語を修得することの意味を追求するべく、著者は多くの女性にインタビューする。テーマは興味深いし、登場人物の話も面白い。しかし、他の著作同様、著者の思い(憧れ、挫折、恨みなど)が、随所にあふれ出ていて、どうにも読みづらく、後味が悪い。客観的立場で書いてくれたら、もっといいんだろうけど。

 

 

東南アジアガハハ料理ノート

森 優子 絵・文 晶文社
1997年 1400円

この本は[おもしろくて楽しいアジアの旅][おいしいアジアの食べ物に関するエピソード][おいしい料理のレシピいいう一冊で3倍楽しめようになっています。さらに、著者の挿し絵もなかなか人の表情をうまくとらえていて、さらに楽しませてくれます。アジアの屋台は、確かに楽しい所ですが、調理方法を覚えるために調理場を直撃取材するようなバイタリティーは、なかなか持てないですよね。そんな読者の私達でも、この本一冊あればたちまちタイ料理・フィリピン料理・ベトナム料理・etc・が楽しみながら作れてしまいそうです。さあ、さっそく食べたいものからトライしてみましょう! 

 

 

東南アジア四次元日記

宮田 珠己 著 旅行人
1997年 1300円

宮田さんもう一発。前作よりはパワーダウンしてるけど、笑いのツボはナイス。今回もアジア旅行記。ただしちょっと変わったご趣味で、各地にあるセメント像についての考察がメイン。有名なところではタイガーバームガーデン。立派な宗教的なものもあるけどよくもまあこんだけ探したわねぇって感じ。でも、行ってみたくなったということは、同じ趣味なんだろうか、私も。

 

 

ロシアにおけるニタリノフの便座について

椎名 誠 著 新潮社
1987年 950円

短編集。表題の作品は特別おすすめ。旅行記で結構ネタにされている”トイレ”ロシアのトイレの強烈具合をどうぞご堪能下さい。他にも収録されている「自動車たいへん記」は、著者の教習所体験記。おやじなりの苦労に納得するんだけど、笑えちゃうのよ。

 

 

主夫と生活

マイク・マグレディ著 伊丹 十三訳 学陽書房
1983年 1200円

伊丹監督が自殺したというニュースを聞いて、10年ぶりにこの本を読み返した。とにかく面白い!アメリカ人のコラムニストが書いた本で「妻と一年の約束で役割を入れ替えた」体験談。著者の観察眼の鋭さやユーモアあふれる文章が最高だ。有名かつ冷静なコラムニストからだんだんと普通の悩みをかかえた主夫になっていく様がおもしろい。しかし、何といっても訳者である伊丹氏の文才が光っている。映画監督としても一流だと思うけど、訳者としても超一流だ(もちろんエッセイストとしてもね)! この機会(?)にこの名著をみんなに読んでもらいたい。

 

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