第16回 

虎が消える日

リチャード・アイブス 著  高橋 佳奈子 訳 
朝日新聞社 1998年 2500円  

ナチュラリストによるただの動物愛護記録と思って読み始めた。が、どうしてどうして ぐいぐいひきこまれて 読み終えるのが惜しぐらいの本だった。虎がおかれている憂うるべき現状ももちろんだけど、著者が生き方を模索する様も読み応え十分。

 

 

アジアの安宿-僕はこんな宿に泊まってきた

下川 裕治 著  
山海堂 1998年 1600円

単なるアジアの安宿のガイドブックではない。著者が20年間アジアの国々を歩いた間に実際に泊まった安宿の中で特に記憶に残っている宿や、思いで深い宿をピックアップして一冊にまとめたものである。もちろん、本の最初の章では「安宿とのつきあい方」と題して実際に安宿の探し方から何を持っていったらよいかという様な様々なノウハウが詰まったところがあり、ガイドブックとしても利用できる。国別に書かれていて読み物としてもとても楽しく 興味深くて、すっかり自分もアジアの安宿に泊まっている様な気になってしまいます。

 

 

アジアのごはんがおいしい理由

メディアファクトリー  1998年  1600円

5:30 PMはアジアのおつまみで 

雄鶏社  1997年  1200円

3:00 PMはアジアのおやつで 

雄鶏社  1997年  1200円
平松 洋子 著 

アジアって食の宝庫という気がしませんか?気候が温暖で土地も豊かで様々な民族がいて、多様な食材、調理法があって。でも、アジアで体験したおいしさを日本に持ち帰るのはちょっと大変です。ここに紹介した3冊は日本でアジアのおいしさを表現するためのノウハウがいっぱいです。まず手に入りやすい材料を使ったものからいろいろと「アジアの食」を楽しみましょう。

 

女たちのジハード

篠田節子 著
集英社 1990円 1997年

 同じ会社に勤める4人のOLが、めげず挫けずたくましく生きていく、そのしたたかさがなんとも心地よい。OLにはOLの生き方があるんだ! 会社の出世なんて考えていないし、望んでない。あるOLはいい男との結婚に命をかけ、またあるものはアメリカをめざす。私たちの世代の生き方がこの4人に凝縮されているようだ。結末はみんな最初の目標と違っているが、それが「人生」なんだろう。

 

芸術家Mのできるまで

森村泰昌 著
筑摩書房 2095円 1998年

 47歳にして回顧展が開催されるアーティスト森村の自叙伝。こんな言い方は森村さんに失礼かも知れないがホントに芸術家になってよかったなと思う。他人と「食事をすることも風呂に入ることも会話をすることも」苦手だったら生きていくのは大変だったろう。明るくて協調性があることが社会の至上命令になっているから。そんな森村さんが自分で考えていた以上にどんどんと世界中で認められていく。一つの価値観が総てではない。ここでだめでも他があるさ。世間となかなか折り合いがつかない人に読んでほしい

 

モリー先生との火曜日

ミッチ・アルボム著 NHK出版
1998年 本体1600円

本書は、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵され、日々病が進行していく中にあった、著者の大学時代の恩師モりー先生と、著者との、毎週火曜日の「授業」の記録である。世界、死、家族、感情等々、その日のテーマが何であれ、モリー先生が亡くなるまで語ったのは、愛だった。「人生でいちばん大事なことは、愛をどうやって外に出すかどうやって中に受け入れるかその方法を学ぶことだよ。」うなずくのは簡単だけど、これほど難しいことはないと思った。

 

ボクの音楽武者修行

小澤征爾著 新潮文庫
1980年 本体400円

「外国の音楽をやるためには、その音楽の生まれた土、そこに住んでいる人間、をじかに知りたい。」著者24歳、神戸から貨物船で、ヨーロッパへ。何のあてもなく、スクーターとともに・・・。それから約2年半後、様々な経験を経た著者が、かのバーンスタイン、ニューヨーク・フィル一行とともに、再び日本へ戻るまでを記したのが本書である。時に心細くなりながらも、時に大胆に、そして、時に優しく、好きな音楽の道を自らきり拓いていく姿が、何とも爽やかでいい。

 

人を動かす

D・カーネギー 著
創元社 1958年 1068円

人付き合いの秘訣決定版。人を説得する原則第1は、「議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける」。ハウツーものだが、読み物としても楽しい。「誠実な心で接すれば、人は必ず心を開く」というのが著者の主張だが、実際は困った人々をうまく扱うテクニック集という趣がある。世渡りって大変。

 

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