第18回

写真紀行 巴里物語

渡部雄吉著 グラフィック社
1997年 本体1,800円

著者は写真家。本書はパリの街のいろいろな表情を、歴史を追いながら豊富な写真で紹介した本である。文字が小さいことと、もう少し歴史上のエピソードを加えてくれたら、なんてことは言うまい。そもそも膨大な歴史を、コンパクトにまとめること自体に無理があるのだから。パリを一度でも訪れて、その魅力にはまってしまいそうな予感のある人にお勧め。もっともっとパリを知りたくなる本だ。

 

 

アウト・オン・ア・リム

シャーリー・マクレーン著 山川紘矢・山川亜希子訳
角川文庫 1999年 本体838円

著者が40代の初めに実際に体験した数々の不思議な出来事。その体験が、著者に何をもたらし、どのような影響を与えたか、時々の感情に忠実に、率直に語った本である。輪廻転生、精霊、神、・・・。その存在を科学で証明することは困難かもしれないけど、存在しないという証明もまた、誰にもできないのではないだろうか。

 

 

ぼくはこんな本を読んできた

立花 隆著 文春文庫
1999年 本体514円

著者のお勧め本を紹介した本かと、誤解を与える題名である。確かに後半は読書日記だが、むしろ、「ぼくはこんな風に本を読んできた」の方が合っている。著者がいうところの、人間が本来持っている「どうしても知りたい」「もっと知りたい」という欲求知的欲求というものを、普段の生活で忘れていた自分に気づかされる。同時に、政治、経済、社会、サイエンス等々、実に幅広い分野の専門かつ最新の情報を、一般人に分かりやすく書くということの裏には、驚くほど膨大な知識の蓄積があるんだと納得させられた。

 

微熱の島 台湾

岸本 葉子著 朝日文庫
1996年 612円 

私は台湾が大好きだ。1986年に初めて訪れてから何度いっただろう。台湾の人、食べ物、雰囲気、そのすべてが好き。日本語が話せる人がいる国、たくさんの少数民族がいる国。大陸(中国本土)との複雑な関係。「美食の国」とは全く違った、そういう台湾をこの本は教えてくれる。

 

小さな悪魔の背中の窪み

竹内 久美子著 新潮文庫
1999年 400円 

「血液型なんて迷信さ」と思っている方、ぜひこの本を読んでください。「血液型と性格には相関関係がある」と思うでしょう。京都大学博士過程で動物行動学を専攻した著者が明確なリロンで人間世界のなぞを解き明かしてくれます。なんで足の長い男がもてるのか、色白の女がいいのか・・・。それには私たちも意識していない、遺伝子のたくらみがあるのです。

 

ふたりでイタリア

こぐれひでこ 絵と文 マガジンハウス
1998年  1500円

あーイタリア。もんすごく行きたくなるって、この本読んだら。へたなガイドブックよりも街を魅力的に伝えている。文章もさることながら圧巻はイラスト。おしゃれでおいしそうで楽そう。おきにいりの外国の街をこんなふうにうろうろできたら。読み切らないうちにもう行きたくってウズウズだよう。

 

 

マンゴーが空から降ってくる-タイの田舎に暮らすということ-

水野潮 著 めこん
1998年  1900円

単純明快。タイの北部地方の文化や風習がおもしろくわかる。実際に生活してるそれもじもてぃの家族の一員として。でもやっぱり日本人の感覚で見た驚きや興味深々なことだからおもしろいんだろね。旅行者では感じえることのないしがらみなんかも書かれてて他にはないタイ紹介本。

 

サイゴンの昼下がり

横木 安良夫 写真・文 新潮社
1999年 2700円

表紙の写真にすいこまれるように、この本を手にとりました。写真の一枚一枚から、熱帯の強烈な日差しとねつとりとまとわりつく様な空気がにじみ出てくる感じがして、読んでいる方も完全にベトナムの空気に、ひたれます。さすがに、プロの撮影した写真はすごいと大感激しました。文章も、随筆プラス紀行文という感じで、読みやすく今のベトナムの人々の日常、風景がよくわかり、楽しく読めるおすすめ本です。

 

十一番目の戒律

ジェフリー・アーチャー著 永井淳訳 新潮文庫
1999年 819円(本体)

著者の作品の登場人物は、いつも実在の人物のように生き生きしていて、しかも主人公がとても魅力的だ。知的で冷静で、とにかくできるヤツ。でも、家族や友人には十分に愛を注いでいる。「ケインとアベル」に見られるような一代記物が特にすばらしいが、このサスペンスも例外ではなく、生き方について考えさせられる。

 

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